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上橋菜穂子 精霊の守り人

精霊の守り人 (新潮文庫)精霊の守り人 (新潮文庫)
(2007/03)
上橋 菜穂子

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2007年04月 新潮社/新潮文庫 580円
★8/10

以前に挫折したんです。
面白かったんだけど、人間関係がわかりにくくて・・・・・・。
誰が敵で誰が味方なの!?
と、ひどく一方的な読み方しかできなかったものですから。

だけど、今回はじめて最後まで読みきってみて、これは世界を味わうものなのだなと思いました。
キャラクター読みが主流になっていたので、誰にシンクロするかばかりを考えていました。
だけど、これはひどく客観的な小説。
私は、バルサではないしタンダではないし、ましてやチャグムでもトロガイでもない。
シュガでもないし、帝でもない。
異国の世界に生きる彼らを、書物によって知った読者にすぎない。
その世界に私がいるとすれば、透明人間となり息を殺して彼らのソバにひっそりと存在しているだけのもの。
そうだなあ、木々や川のようなもの?

だから、最初は読みにくかったし入りこみづらかった。
でも読みおわった今は、彼らがいる世界が懐かしく感じる。
また、あの匂いや風を感じたいと思ってしまう。

「こういう話であろう」とあたりをつけて読むと、逆にこの物語に馴染みにくくなるかもしれない。
どこかの世界へ旅立ちたい・・・。
ふっとそんな欲求がわいたとき、この本はぴったりと心に寄り添うのかな。

要するに、面白かったです。




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一般小説 ア行  未分類 | 【2010-05-03(Mon) 01:09:24】 | Trackback:(0) | Comments:(2) | [編集]

啄木鳥探偵處 伊井圭


2008年11月 東京創元社/創元推理文庫 680円
★5/10

読んだきっかけは、もちろん邪道読みができるとの情報からです。
更に、私の好きな時代設定、また金田一京助×石川啄木とくれば「私も妄想してました」という題材でございます。

というのも、以前「わが青春の記」を読み、私にとっての「金田一京助像」「石川啄木像」なるものが出来てしまっているのです。
もちろん、邪道妄想でございます。

が、残念なことにそれが裏目に出てしまったもよう。
妄想の中であまりにもしっかりと「金田一像」「石川像」を作ってしまったようで、伊井さんのキャラクターに違和感を感じてしまいました。
「わ、わたしの金田一はそんな性格じゃないっ!」
いつか、自分の妄想図が消化できたら再び読みたいと思います。

きっかけであった邪道読みは、存分に楽しめました。
坂木司さんのひきこもり探偵を思い出すほどに。
実際に、京助さんは自覚していらっしゃるし。

それよりなにより言いたいのは、これが映像化したらさぞ面白かろうということ。
暗さを一切そぎ落としたコメディ調に。
そう思ったのは、

「バカなことを!」僕は心底腹が立った。
「バカとはなんです、バカとは。京助さんは何しに来たのですか!」
 啄木のこめかみが、プクっと膨らんだ。
「見舞いだよ!!」


思わず笑ってしまいました。
啄木よ、一体何しに来たと思っていたんだ(笑)




一般小説 ア行  未分類 | 【2010-01-27(Wed) 22:48:37】 | Trackback:(0) | Comments:(0) | [編集]

死神姫の再婚 小野上明夜/岸田メル


07.09 エンターブレイン/B's-LOG文庫 \520
★7/10

眼鏡で天然で貧乳か……あまり食指のわかない主人公だけど、参考にさせて頂いているいくつかのブログで評判がよく、少女小説が読みたくてたまらなかった時期なので買いました。
が、まもなくブームが去ったため夢の跡となっていた本で、このたび気が向いて読み始めました。

評判ほどのめりこまなかったけど、懸念していたほどのキャラ萌え小説じゃなかったです。
ある程度鈍いほうがストレスなく過ごせるわよね、と変な教訓を得てみたり。
とりあえず、続きを読んでみようと思います。

一般小説 ア行  未分類 | 【2009-12-14(Mon) 12:55:46】 | Trackback:(0) | Comments:(0) | [編集]

アンティークFuga(4) 宝探しは眠りの森で あんびるやすこ/十々夜


09.03 岩崎書店/Ya!フロンティア \900
★7/10

ほのぼのするわ~。
ユイマールが怖くてたのしい~。
でも、風雅には甘々。
若旦那というか水戸黄門というか、こういう構図はたまりませんな~。

一般小説 ア行  未分類 | 【2009-08-03(Mon) 13:48:49】 | Trackback:(0) | Comments:(0) | [編集]

彼岸の奴隷 小川勝己


04.05 角川書店/角川文庫 \781
★9/10

こりゃヒドイ。
カニバリズムは・・・ヒドイ。
気持ちわるくて胃液が逆流しそう。

それをおしてもおもしろく読めたのは、ひとえに邪道読みの楽しさと文章の読みやすさにあると思います。
最後の方は、なにがなんだかぐっちゃらぐっちゃらした人間模様になるんだけど、スマートに文章が流れていくので混乱することもありませんでした。
読後に憂鬱になることもないし。

和泉×蒲生かなー。
病ん攻めのクールビューティー受け。
あ、でも蒲生も病んでるけど・・・。

「いろいろ噂は聞いてるぜ? おまえ、オカマも好きなんだって? おまえが両刀だとはなあ。知らなかったなあ」
 山口が下卑た笑い声をあげた。
   (中略)
 ほんとうに和泉にそうした性癖があったとしても、また山口の揶揄が図星だったから和泉が激昂したのだとしても、さして気にならなかった。自分に欲望を覚えた同性は何人かいる。ゲイもいればオカマもいた。蒲生に女の代役を求めたものもいた。
   (中略)
 合宿が終わった翌日、部を辞めた。彼らのだれかひとりでも、蒲生信昭というひとりの人間に愛情を感じていたなら、そのまま部に残ったのかもしれない。だがそうではなかった。彼らは蒲生に、女の代役をやらせていただけだった。それが嫌だった。

見事すぎる。

矢木澤×蒲生も好きです。
誘い攻め×誘い受け。
おもしろい関係。

和泉×矢木澤もいいし、水嶋×蒲生や岡本×蒲生もいいと思います。
ただ、矢木澤に愛されちゃったら死へのカウントダウンが始まることになるんだけど。
かなりおもしろくて好きです。
でも、邪道読み抜きだったら、生理的に好きになれない話だと思います。
邪道フィルター万歳。





一般小説 ア行  未分類 | 【2009-06-30(Tue) 23:17:32】 | Trackback:(0) | Comments:(0) | [編集]

重力ピエロ 伊坂幸太郎


06.07 新潮社 \629
★7/10

ストーリーは後に残らないけど、シーンが心に残ります。
映像的。
映画化か、なるほど。
アニメ化の方が良かったな。
今敏で。
これを生身の人間でやると陳腐にならないかな、と思うんだけど。
映画を見てみよっと。
このラストは好きです。
ニヤリとしてしまう。
ただ、落ちた春はどうなったんだろ。
どうとでもとれる文章で結末を丸投げされるのは嫌だー・・・。
文章はかなり読みやすいので、読み返しやすい本だと思いました。
また気がむいたら読み返してみよう。
そして、他の作品も読んでみようっと。
次はオーデュボンの祈りかな。

ところで、BL読みの件です。
二次創作では弟×兄が王道らしいです。
です。
です・・・。
私としては兄×弟なんだけどなー。
襲い受な弟。
あれよあれよと流される兄。
まーた茨かよう。


一般小説 ア行  未分類 | 【2009-06-17(Wed) 19:35:37】 | Trackback:(0) | Comments:(0) | [編集]

ピエロG

正直、恋愛を謳歌している人間がいることを忘れたかった。
通常書店へ行くと真っ先にBLコーナーへ足を踏み入れるが、その日は逃げるように(比較的ミステリーが多い)講談社文庫・角川文庫の棚へ向かった。
そんな日もある。
家に積みミステリー本が数冊待機しているので、買うにしてもカブらないものがいい。
ちなみに頭をよぎった積みミステリー本は、海堂尊「ジェネラル・ルージュの凱旋」の上下巻と日明恩の「それでも、警官が微笑う」である。
迷ったあげく、新刊本と並んで平積みしてあった伊坂幸太郎の「重力ピエロ」を買った。
映画化したばかりの話題の文庫を手に、レジへ向かう私の姿はまるでスマートに読書を楽しむ人間のようじゃないか。
そんな気持ちにもなった。

実は、以前挫折したことのあるこのタイトル。
伊坂幸太郎原作の映画や漫画をみたが、どこか痛い感じがしてしまった。
それとあいまって、一般的に人気のある作家だと素直に手にとれないものだ。
それでもやはり、伊坂幸太郎の本を一度は読みたかった。
そして、読むなら「重力ピエロ」か「魔王」だと思っていたため、書店のフェアにまんまと踊らされることにした。

さて、P137まで読んだ状態である。
「春が二階から落ちてきた」から始まる473Pからなるストーリー。
インパクトのある冒頭だったが、この後に続く主人公の私(泉水)によるインテリ然とした卑屈な説明がどうにも鼻につく。
まるで、好きでもない男から「好きじゃないから付き合えない」と言われる気持ちに似ていた。
そして排他的な春(弟)の登場。
さらに入院している父の存在。
なるほど、家族なだけあって三人そろうと高尚な会話が続く。
もっといえば、高尚「ぶった」会話が、である。
似たもの家族。
そう鼻で笑いたかった。
しかし、その一方で、この家族にたいしてどうしようもない羨望をおぼえた。
絶対の味方であり、俺たちは最強だと信じて疑わない家族。
しまいには、悔しくも励まされている自分に気づくから始末におえない。
まんまと、伊坂マジックにはまってしまったのだろうか。
今はまだわからない。
もしかしたら、文章が読みやすいだけなのではあるまいか。
心のブレーキを100%はなすことは、まだ出来ないでいる。

それはさておき、事件はまだまだ序盤である。
この兄弟がどう動き、何を思い、どんな結末を見、彼らの父が彼らに何を残すのか。
これからじっくり読みすすめていこうと思う。



一般小説 ア行  未分類 | 【2009-06-15(Mon) 18:21:31】 | Trackback:(0) | Comments:(2) | [編集]

アンティークFUGA(3)キマイラの王 あんびるやすこ/十々夜


08.11 岩崎書店 \900
★7/10

今回はBL読みするところは見つけられなかったー。
でも面白かった。
加奈とほのかちゃんが微笑ましかった。
お互いに妬み嫉みのドス黒いものがなかったのがふしぎ。
ま、加奈とほのかちゃんからドス黒さが出てきたら、風雅たちのお株がとられちゃうしね。
今回の話はけっこう好きで、個人的にも共感できる話でした。
石も重要だけどデザインもね、っていう感じ。

4巻はいつ出るのかなー。

一般小説 ア行  未分類 | 【2009-02-24(Tue) 22:01:29】 | Trackback:(0) | Comments:(0) | [編集]

歩兵の本領 浅田次郎


04.04(単行本01.04)/講談社 ISBN:9784062739894
★8/10 ネタバレ
短編 1970年代 自衛隊

青色倉庫/妄言読書日記』の蒼子さんの感想を参考にして読みました。

私が浅田次郎を最初に読むなら「きんぴか」だろうと思ってた。
が、読むことにまごついているうちに、世間では浅田氏の認識が「お涙頂戴」や「人情」になっていることに気づき、若干へっぴり腰に。
「コメディー」の人だろうと思っていたからネ。

売れっ子作家も読んでみよう。
と最近思うようになった時に、浅田さんの作品紹介を蒼子さんのブログで目にしたことでこの本を読もうと決めました。
なんといっても自衛隊。
しかも70年代の自衛隊といったら、荒々しく男くさい世界が読めるかしら、という下心もあり。
さらに短編ということもきっかけのひとつ。

「お涙頂戴」で「人情」に納得。
そして「コメディー」という予想もそんなに外れてなかったと思う。

短編といえど、キャラクターは連鎖しています。
私が一番好きなのは、「若鷹の歌」と「バトル・ライン」
「若鷹の歌」は、川原准尉の口ずさむ姿が映像のように浮かび上がりました。
「バトル・ライン」は和田士長と渡辺のキャラと関係がすごく好き。
「シンデレラ・リバティー」のラストが切なくてやさしかった。
もしかしたらこいつも、俺と同じような悲しい目に遭ったんじゃあるまいかと思ったとたん、今野は立ったまま声を上げて泣いた。
こういうのに弱いのよ。
すごく気持ちがわかるしネ。
一番笑えたのが「越年歩哨」
森士長と和田士長と赤間一士のやりとりに、思わず吹き出してしまった。
「赤間一士、失言でありました。寝ます。」
「ああ、赤間かァ。寝なくていいから死ね。おおい、和田」
 部屋長の隣のベッドで、和田士長がむっくりと身を起こした。
「はい、和田士長、現在地」
「赤間を殺せ」
「了解。和田士長、赤間を殺します」
 赤間ははね起きてベッドの脇に立った。指の関節を鳴らしながら、和田士長の影が近づいてくる。
「悪くありました。申しわけありません」
「ごめんで済むなら、俺はいらねえんだよ」

この一連のやりとりがすっごく好き。
「ごめんで済むなら、俺はいらねえんだよ」のセリフに、思わず「確かに!」と納得。
でも、これが笑えるのは、この前の短編の『小村二等兵の憂鬱』と『バトル・ライン』を読んでるからだと思った。
じゃなきゃ、森も和田もただの怖いオニーサンだよ。
「殺すぞ」は会話の中で頻繁に出てくるんですが、まあ・・・冗談じゃありません。
初めてこのセリフを読んだときに「え、マジですか?」と思ってビビったけど、読み進めていくうちにすごく愛情のある言葉に聞こえてくるから不思議。
気持ちがいいほど下克上。
実際にその場にいたらたまらんというくらいムチャクチャなんだけど、すごく面白いし笑える。
「きんぴか」はやっぱり読んでみようと思いました。


一般小説 ア行  未分類 | 【2008-11-24(Mon) 15:09:21】 | Trackback:(0) | Comments:(0) | [編集]

乱鴉の島 有栖川有栖


06.06/
★7/10
有栖川作家シリーズ 孤島ミステリー

ひっっっっっさしぶりに有栖川さんの本を読む。

孤島ものということで、学生アリスかな?と思ったら、作家の方でした。
国名シリーズはそれとなく読んでいたものの、長編では『朱色の研究』(ハードカバー)までしか読んでなかったはず。

けっこう面白かったけど、どうも変な先入観があるのか、火村と有栖川のコンビに孤島がしっくりこない。
火村に孤島・・・・・・豚に真珠と同じくらい違和感がありますが、今回の火村先生はたいそう弱っていたのでそういうこともあるかしらと思って読みすすめていきました。

久しぶりの有栖川ミステリーだったので楽しめたことは楽しめたものの、ちょっと長すぎたー。
昔は長編でもあっさり読みきっていたんだけどなー。
登場人物が多いんだけど、それぞれのキャラに色付けができないまま名前=記号として読んでいるような感覚だったので、ちょっときつかったかも。

でも久しぶりの有栖川だったし、やっぱり読みやすくて楽しい。
このシリーズはミステリーが苦手でも読めると思うんだよね。
火村とアリスのかけあいが楽しいし。
でも、乱鴉の島はちょっとそれが少なめでした。
これもきつかった原因のひとつかも。
所詮キャラ萌え・・・・・・。

作家シリーズで好きなのは「奈良」と「朱色」です。
また本格ミステリーを読んでみようかなー。


一般小説 ア行  未分類 | 【2008-11-17(Mon) 13:04:36】 | Trackback:(0) | Comments:(0) | [編集]

アンティークFUGA(2)双魂の精霊 あんびるやすこ/十々夜


★8/10

今まで「YA!」とついてるレーベルは全部講談社だと思ってたけど、違うんですネ。
講談社は「YA!エンターテイメント」
理論社は「ミステリーYA!」
そして、アンティークFUGAが出版されている「YA!フロンティア」が岩崎書店でした。
「YA!フロンティア」はどうやらファンタジーが主体のようです。
講談社にしろ理論社にしろ岩崎書店にしろ、邪道読みができる作品を排出していることには変わりありませんが(笑)

というわけで、萌えるヤングアダルト「アンティークFUGA」の2作目を読み終わりました。
いつのまにかシャナイアが風雅にメロメロになってた。
風雅を純粋培養なお坊ちゃんに育てようとしていますよ。
胸がでかいでかくないってなレベルの話をしているだけで、
「もういうな。風雅に聞かせたくない」
って・・・・・・シャナイア兄さん!??
か、過保護!!!
それだけじゃなくて、美術館にいる多くのつくも神に対して
「風雅に話しかけるな」
と、怒鳴り散らす始末。
こりゃあ、ますます邪道度に拍車がかかりますな(笑)
シャナイア×風雅でお願いします。
風雅×シャナイアを妄想する人も少なくなかろうが。
倫土×シャナイアもありです。

最後にユイマール(唯兄さん)がちょろっと登場。
風雅の父、倫土から頼まれて風雅の側で助け見守るために登場したユイマール。
それに対して、シャナイアが兄役は二人もいらんとくってかかると、
「倫土は心配だったのかも。いろいろな意味で・・・・・・」
とにこやかに返答。
いろいろな意味で!!?
邪道読みがデフォルトな頭には、いろいろな意味をイロイロな意味として受けとったが、それでいいか?
ますますおもしろい展開になっていきそうです。

マジメな感想として、前作よりもほんのちょっぴり切ない話でした。
婚約者を何十年も待ち続け、その間に育っていく憎悪と残された良心に揺れる女性の心によって、2対の壺が光と影として育ち力をもってしまったつくも神2対の話。
2対のつくも神、婚約者を待ち続けた女性、ラストはまったくのご都合主義ではなく、どちらかといえば無常さを残したままラストをむかえました。
それが切なくもあったけど、ラストは風雅とシャナイア+ユイマールのほのぼのとしたエピローグでしめたので、晴れやかな気持ちで読み終わることができました。

一番印象に残っている言葉があります。
「骨董は私たちよりずっと長い時間を生きるのよ。だって、骨董は預りものなんですもの」
人間は物をつくりだす能力があるけれど、その物の前をただ通り過ぎていくだけの存在でもあるんだねえ。





一般小説 ア行  未分類 | 【2008-08-18(Mon) 13:56:00】 | Trackback:(0) | Comments:(0) | [編集]

アンティークFUGA(1)我が名はシャナイア あんびるやすこ/十々夜



★8/10

微萌★読書記録できろくさんが感想を書かれていた本です。
気になっていましたが、ようやく手にとりました。
最近は、小説離れをしていたので、リハビリにちょうどいい厚さと文字の大きさと邪道さです(笑)
ランプの精のように飛び出てきたシャナイアは、風雅にひとつだけ願いを叶えてくれるのです。
「とっとと望みを言え、小僧」とせかされた風雅くんは「ぼ、ぼくの兄さんになって!・・・・・・ここで一緒に暮らしてほしいんだ!」と・・・。
兄さん!!!!???
思わず、私もびっくりしました。
そんなストレートな!!
・・・・・・すぐに冷静になりました。
そういう意味の「兄さん」じゃなくて、家族としての兄さんだったのね。
そりゃそうだ、これは児童書だもの(笑)
でも、最後の風雅と紗那の会話は、兄弟以上の熱さを感じますが、どうなのよ(笑)
「それに、紗那兄さんのこと、呼びすてにするのもいやなんだ」
「別にいいじゃないか。だれが呼び捨てにしたって」
紗那は美しくラーメンをすすりながら言った。
「おれを『兄さん』と呼べるのは、この世でおまえだけなんだから」

思わず鼻血が出そうになりました(笑)
そんな二人のアンティークショップは、喋るつくも神がたくさんいます。
なんか、私の好きな設定が盛りだくさん。
2巻もこれから読みマース。
YA!系は面白いのがそろってるわあ。







一般小説 ア行  未分類 | 【2008-08-17(Sun) 00:14:14】 | Trackback:(0) | Comments:(0) | [編集]

屍鬼(上)(下) 小野不由美

    
★6/10

私が読んだのはハードカバーの方です。
長くて重かった(心ではなくて実際の手にかかる負担が)

余裕がないときの人間の心理状況がとてもリアルで怖かったです。
田舎だからみないい人かというとそうではないよな、と当たり前のことながらしみじみと実感。
屍鬼とはいったいなんなのかというのは二の次で、正体のわからない恐怖にさらされているときに、密に関わりあってきた人間同士がどう変化していくのかが書かれているようでした。
それにしても、登場人物を覚えるのが大変だった!





一般小説 ア行  未分類 | 【2007-12-27(Thu) 12:47:52】 | Trackback:(0) | Comments:(0) | [編集]

二青年図 乱歩と岩田準一 岩田準子

二青年図―乱歩と岩田準一二青年図―乱歩と岩田準一
(2001/05)
岩田 準子

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★7/10 ネタバレ

やっぱりそうオチるのか。
そりゃ、孫がいる以上、二人はいつまでもなかむつまじく二人きりで過ごしました、とはならないもんな。
もちろん乱歩さんも妻子持ちですし。
まあ、何を申せばいいのか、乱歩といえば乱歩であり、あのお顔ですから、なんといいますやら。
岩田準一は魔性の男でした。
しかも自分から求愛しときながら、いざとなったら冷たく振るいけずなお方でした。
でも妄想の中では奔放な方でした。
倒錯という言葉の意味がわかりかけた午前一時。
戦前を調べるうちに、男色がそこそこ盛んだったのではないかと思いました。
今の腐乙女たちの妄想が実際にそこにあったんじゃなかろうかと思うような資料がザクザクです。
あまりに腐乙女たちの妄想に合致しているので、逆に誰かのしかけた罠かと疑うほど、ザクザクです。
著者は、準一の孫である限り、ノンフィクションをおりまぜたフィクションであることは重々承知していますが、それにしても面白かったです。
人間関係が濃密だった時代の話。







一般小説 ア行  未分類 | 【2007-12-09(Sun) 22:34:18】 | Trackback:(0) | Comments:(2) | [編集]

孤島の鬼(孤島の鬼) 江戸川乱歩


★7.6/10

かの有名な江戸川乱歩氏の作品であり、腐女子群にはさらに呼び声が高いであろう「孤島の鬼」
やっと読み終わりました。
のらりくらりと3週間くらいかけて読みましたが、なかなか面白かったです。
ミステリー調からオカルトチックへ。
思った以上に読みやすく、時代をまったく感じさせないスリル&サスペンス。
ありえないっ!て思うような摩訶不思議な世界も、昭和初期という時代を考えるとロマンすら感じます。
諸戸(♂)の主人公である箕浦君(♂)に対する8年にもおよぶ一途な恋心は、萌えに萌えて燃え尽きます(本当に諸戸は燃えつきた・・・)
箕浦君のつれなさが切なくもあり、やっぱり萌えるのだけど。
私の想像の中で、二人を(というか諸戸を)幸せにしてあげました(笑)
何気に深山木も怪しいです。
箕浦君のことを「美しいお客さま」というのだから。

ともあれ、最後の最後の1行まで、江戸川先生は腐女子の味方です。





一般小説 ア行  未分類 | 【2007-09-10(Mon) 12:36:37】 | Trackback:(0) | Comments:(0) | [編集]

禿鷹の夜 逢坂剛


★6/10

久々にハードなボイルドを読んだわけですが、何が面白いって、とんでもデカに振り回されるヤクザたちが面白い。
思わずヤクザが「その辺にしといてやれ」と止めに入るほど、容赦なく鬼畜なデカ、通称ハゲタカ。
まだまだ、人間関係はこれから深くなりそうです。
期待期待。



一般小説 ア行  未分類 | 【2007-08-30(Thu) 11:51:48】 | Trackback:(0) | Comments:(2) | [編集]

水のなかの目(少年計数機 池袋ウエストゲートパークⅡ) 石田衣良

少年計数機―池袋ウエストゲートパーク〈2〉 少年計数機―池袋ウエストゲートパーク〈2〉
石田 衣良 (2002/05)
文藝春秋

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★9/10 (ネタバレ)

途中から読めたんですが、萌えがあらん限りに散りばめられていて鼻息を荒くしました。
でも、最終的にはアツシはあんな結果に。
これも読めた。
ぶっちゃけ、アツシがアキラに奉仕していた時点でアツシは死ぬなってとこまで分かった。
こういう小説って、男にヤラレちゃったキャラは大抵死んじゃうんだよね。
なんでよ。
生かしとけよ!
といいつつも、彼が悪党のブレインだから、のうのうとのさばってるわけにはいかないわけで(北の国から?)

そして「アキラくんはくすぐったいって笑ってたよ」のアツシの科白に、あ~こりゃアキラはアツシに本気で惚れてるんだ~って読めたのは、やっぱり腐女子だからでしょうか!(笑)
たぶん、腐女子ならば、この時点で事件のあらましは見えるような気がする。いや、解決できる!(笑)腐女子能力で!
最後のアキラの口ぱくでさえ、腐女子能力を使ったならルカ姉に聞かずとも即回答ってなもんよ(笑)

アキラ×アツシは本物だから今更感想を書くまでもないとして(私の妄想では、アキラの最後の言葉を聞いたアツシは後悔しているという設定なんですが)
今回はタカシ×マコトもえ。
「そうか、タカシたちがおにいちゃんか」
「ああ、マコトもな。おまえは気がやさしいおにいちゃんだ」

この科白にノックアウトされました。
やさしいは愛してるの同義語なので。(違います)

あと礼にい×マコト。
礼にいってどの話で初登場したっけ?
こんなところにダークホースがいました。
礼にいって呼ぶあたりにもえ。もえ。

こりゃ、買っちゃうかもしれません。やばいなー、石田マジック。

あ、そうだ。
マコトさん、アツシが犯人だって気づかなかったら、絶対にアツシのことを喰ってたわね。
いや、喰われてたっていった方が正しいか。




一般小説 ア行  未分類 | 【2007-05-15(Tue) 22:48:07】 | Trackback:(0) | Comments:(0) | [編集]

少年計数機(少年計数機 池袋ウエストゲートパークⅡ) 石田衣良

少年計数機―池袋ウエストゲートパーク〈2〉 少年計数機―池袋ウエストゲートパーク〈2〉
石田 衣良 (2002/05)
文藝春秋

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★9/10

なんざんしょ、石田衣良小説を読むと、なんか涙が出てくるわ。
そっけない口調というのか、そっけない距離感が、逆に優しさを感じます。
ズルさもあると思うけど、そこと追求したら物語自体は違うものになるので。
別に真っ向から正義の塊だぜ、な人が主人公じゃなきゃいけないってわけじゃないんだし。
むしろ、そんな人が主人公の小説読んだって面白かないんだけど。
あーーーーーいろんな人がいるーーーーー。
って言いながら空を見あげる感じ。
いや、例えば私がこの小説のキャラだったら、そんなことを言ってそうだと(笑)
このシリーズはシンクロ率が高いのよね。
登場人物に感情移入という意味じゃなくて、同じ世界に住んでるような。
本当にマコトとかがいるような。
なんでだろう、なんでだろう、と思いつつ読みすすめてみて気づきました。
マコトがたまにいう「あんたはどう思う?」って言葉にあるんじゃないかしら。
マコトがダイレクトに語りかけてくるのよ。
小説という世界を超えて。
ここらへんに原因があるんじゃないかと思うんだけど、どうなんでしょうね(丸投げ)

さて、このお話の感想っと。
萌えました マル。
この回はドラマ化になってるよね、確か。
あまりよく覚えてないんだけど、ドラマは小説の一部一部をまぜこぜにしているから、私の頭の中もまぜこぜなんですが。
たしかなってたはず。
なんか、泣ける。
耳や目で伝えてくる計数機の音じゃなく、文字から伝わってくる計数機の音はなんか泣ける。
小説っていいなあって思いました。
そして萌えたのが、マコト×ヒロキ。
ドラマ版だと全く萌えなかったと思うんだけど、小説だとキャラ像をいいように捏造してるからなんか萌えて萌えてたまらんかったです(笑)

「ねえ、マコト……マコトはぼくを好きになっちゃいけないよ。いじめなくちゃだめだよ、ぼくが好きになる人は、みんなぼくにひどいことをする。(略)だから、ぼくは人を好きにならないし、人からも好かれちゃいけないんだ」
そういうとヒロキはためらうように力なく計数機を打った。
「マコトがぼくを好きになるのをやめなきゃ、ぼくはおかしくなるよ」


おいしい一部を抜き出してみました。
事件も解決して、ほう~と思ったところにこの科白。
ご褒美みたいな萌えでした(笑)




一般小説 ア行  未分類 | 【2007-05-15(Tue) 22:32:48】 | Trackback:(0) | Comments:(0) | [編集]

恋のドレスと薔薇のデビュタント ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 3 青木祐子/あき

恋のドレスと薔薇のデビュタント 恋のドレスと薔薇のデビュタント
青木 祐子 (2006/06/30)
集英社

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★8/10
やっとお互いに恋の匂いがしてきたわよー!!
それに、パメラとイアンも最後の最後でいい感じに。
むふふ~。
今回は、あんまりアイリスが出張ってなくて良かった(これを言っちゃ終わりか(笑))
こうね、なんちゅーか、面白いは面白いんだけど、面白くない部分もあるのよね。
そのひとつがアイリス=闇のドレス。
今回、イレーネがアイリスに操られていたわけですが、それが面白くないんだよね。
イレーネの嫉妬とか愛憎とかが、すべて闇のドレスのせいということで片付けられちゃうもんだから、深みが読めない。
まあ、「闇のドレス⇒イレーネの暴走」じゃなくて「イレーネの暴走⇒闇のドレスで更に暴走」の図式であることはわかるんだけど、はっきりいって闇のドレスはいらないと思う。
闇のドレスがなくても、クリスとシャーロットの関係は深まるはずだし、闇のドレスがなくても社交界には罠がいっぱいあるはずだから、闇のドレスに頼らずに普通に人間の内面として描かれてもよかったんじゃないかなあって思うんだけど、きっと後々からクリスのお母さんの謎もふくめて必要な伏線として闇のドレスが存在してるのかもしれないとも思うんだけど、今のところ闇のドレスの存在はいらないなあ。
 




一般小説 ア行  未分類 | 【2007-03-07(Wed) 14:41:12】 | Trackback:(0) | Comments:(0) | [編集]

日ぐらし御霊門(捨小舟) 赤江瀑

日ぐらし御霊門 日ぐらし御霊門
赤江 瀑 (2003/04)
徳間書店

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★6.5/10

斜め読みにはもってこいの作品ばかりの赤江瀑。
(そればかりを私が選んでいるというのもあるが(笑))
この作品は、夢の中で男とキスをするということが書いてるにもかかわらず、なんだか妻に捨てられた夫の寂しさばかりが読みとれてしまいます。
っていうか、それが正しい読み方なのかしら。
そのせいか、この夫を捨てた妻は、馬鹿だなあなんて思ったりして。
っていうか「私は捨てたりはしない」というおじさん。
あなたこそが怪しい(笑)
むしろ、健介が一人身になって一番喜んでるのはこの人だと思った。




一般小説 ア行  未分類 | 【2007-02-06(Tue) 09:01:51】 | Trackback:(0) | Comments:(0) | [編集]

日ぐらし御霊門(日ぐらし御霊門) 赤江瀑

日ぐらし御霊門 日ぐらし御霊門
赤江 瀑 (2003/04)
徳間書店

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★7/10

京都に行きたいな。
この作品を読んでこんな感想しか出ない自分が情けない(笑)
先斗町は二度ほど旅行で行ったので、その時の雰囲気が街並みが思い出されて、尚更行きたくなりました。
小説っていうより、赤江瀑氏が実際に体験したことが描かれているような気がして、どっちかっちゅーとエッセイを読んでる時のような感じで読みました。
あと、二度三度読み返したら、感じ取ることが出来るんだろうな。
赤江瀑氏の小説は、図書館じゃダメだと思った。
期限がきたら返さなきゃならないもん。
私にとって赤江瀑氏作品は、何度も何度も読み返すべき小説だわ。
最近、文庫で出てきて本当に助かった。
それにしても、出てくる男がいちいち色っぽいな、このやろう。


一般小説 ア行  未分類 | 【2007-02-06(Tue) 08:54:06】 | Trackback:(0) | Comments:(0) | [編集]

日ぐらし御霊門(奏でる瑠璃) 赤江瀑

日ぐらし御霊門 日ぐらし御霊門
赤江 瀑 (2003/04)
徳間書店
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★8/10(ネタバレ?)

二次創作が作りたくなる印象。
それは、小説の中に想像の余地があるかないかにあると思うのよね。
で、赤江瀑はそれがあるわけよ。
短編という枠の中で語りきれなかった部分なのか、あえてそぎ落とした部分なのか。
当然、後者だろうけども。
雄一郎が離れた後、健太郎は絹子の正体を知ったのか知らずにか離婚し、雄一郎からもらった瑠璃の球を投げては探し投げては探し、その心情を思うとやりきれないようなしかしどこか昏い歓びの入り混じるような。
赤江瀑作品って、少ししか読んでないんですが、そういうところがあるのよね。
ハッピーなラストじゃないんだけど、なんだか心がにんまりとしてしまう。
ラストを最初っから語ってるせいか(短編だからかな)、オチに向けて読むのじゃなくて、浸る感じ。
この作品は「ざまあみろ」とほくそえむような歓びを感じる作品でした。



一般小説 ア行  未分類 | 【2007-02-06(Tue) 08:46:28】 | Trackback:(0) | Comments:(0) | [編集]

日ぐらし御霊門(飛鳴) 赤江瀑

日ぐらし御霊門 日ぐらし御霊門
赤江 瀑 (2003/04)
徳間書店

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★8/10

ここまで描いといて(エロはないですよ)BLと文学の違いは一体なんだろうと風呂場の湯船に浸かりながら小一時間考えました。

BLはストーリーがあるのよね。ストーリーありき。
まあ、萌えとエロと挿絵があればいいというようなBLもあるのでしょうが、私が好んで読む限りじゃストーリーの展開に期待して読むのよ。
そこに付属する萌えはあるのだけど、大前提としてストーリー。
すったもんだの挙句、たどりついた終着駅では満たされた気持ちになりたい、という思いで読む。

それが赤江瀑の小説では通じません。
物語というよりも自白小説のような、日記小説のような。
極端な話、主人公の独り言を延々と書いているだけで、立派な文学になる。
そこには、どれだけ偏った感性があるかだと思うのよね。
物語ならば20ページなんてまだまだ序章の域だけど、偏った感性を持つ人の独り言を20ページも読んでみなさいよ、ちょっと膵臓のあたりがやけてくるから。
その思考にぐるぐる巻き取られて、脱力感以外の何ものでもない。
嫌悪感と恍惚感は常に表裏一体なのね……。

というほど、この『飛鳴』は黒くないですが(感想文になってないことに気づいたので、今更のように無理やりつなげてみる)
意外と青春小説。
思春期の憂鬱というか。
国語の教科書のようにまとめあげるならば、子供から大人への過程が描かれており、少年期を越えてしまった境界線にいる男の心理、といったところか。
誰でもターニングポイントがあるわけで、選ばなかった方の自分は今一体何をしているのだろう、ということが気に掛かる無常感みたいな。
浜崎あゆみの歌詞にあったなあ。
選ばなかった方の道がやけに気になったりして
なんて。
まあ、簡単に言えばそんな感じ。
いや、読んでる時に、その歌がぽんと頭の中に浮かんできて、なるほど、浜崎あゆみこれを読めばいいのに、みたいな(笑)

20ページの短編、にもかかわらず、ずっしり重い。
文体には相変わらずつっかかるんですが(『。』が少ないって)それがなんだか癖になるのかもしれない。わからないが。




一般小説 ア行  未分類 | 【2007-02-02(Fri) 23:06:31】 | Trackback:(0) | Comments:(0) | [編集]

日ぐらし御霊門(櫻瀧) 赤江瀑

日ぐらし御霊門 日ぐらし御霊門
赤江 瀑 (2003/04)
徳間書店

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★10/10(多分ネタバレ)

やばい。つかまる。
そんな恐怖と快楽が混濁した感覚を味わっちまいましたよ。
赤江瀑、読んどいて良かった……。
きっかけは『桜』にまつわる耽美(系)小説を探していた時に赤江瀑の名前を見つけ、「そういえば高校時代に創刊したばかりの活クラでフィーバーしてたよなあ」と思い出したことにあります。
赤江瀑作品を読もう読もうと思って早十年。
忘れていたわけではないんだが、きっかけがつかめずに泳がせてました。
最近、新刊文庫案内に赤江瀑の名前を見る機会が多くなり、そろそろ読む時期が来たのだろうかと思った矢先のきっかけと赤江瀑が繋がったので読んでみたのです。

最初に読んだのはは『櫻瀧』
ちなみに、これは短編集です。11作品収録のうちの1本。
後期の作品らしく、2000年5月の発表された模様。
なので、初期の作品とはいくらか変化があるのかもしれませんが、私にはこれが正真正銘一番最初の赤江瀑。

読んでる最中は息苦しくて仕方なかった。
赤江瀑の言葉を借りるならば、『とろとろに溶けてなくなりながら湧いてくる』感じ。
もぞもぞと躰を動かしながら読みすすめてしまう、もどかしくも甘美な味わい。たまりません。
捕まえたとおもったらするりと足下をすくわれたような、どうしようもなく不安定な空間に取り残された浮遊感が癖になりそうです。
最後を読んだ後にもう一度最初から読み返しました。
ごく短い短編ですから、それも苦にならず可能です。
何度も何度も何度でも読み返してしまう。

ただ、最初は少し文体につっかえました。
『。』がなかなかない。
まるでとめどなく言葉が流れ出るままに喋っているような文体に、文章を理解するために頭の中で組み立てなければなりません。
わたしの文章を理解する能力の低さがそうさせるのかもしれませんが。
それも2ページを過ぎたころには全く問題はなくなるのですが。

なんといっても、見所(読み所)は、男の描写。
一言で言うならばなんとも肉感的。
肉の厚みと声の熱さがこんなに淫靡に描かれているなんて、嗚呼。
分析するつもりはないけれど、分析になってしまうのだろうけど、女性の描く耽美と男性の描く耽美はこうも違うのかと思いました。
例えば加賀乙彦の『帰らざる夏』
耽美という例に出すには少し違うのかもしれないと思いつつも、今まで読んできたものは暗黒裏社会物や探偵物ばかりなので知識が少ないせいで申し訳ない。
この『帰らざる夏』を読んだときも、肉を感じました。
暖かく肌に感じる弾力のある肉。
吐息の熱さえも交わって溶けていく産毛が絡み合うような肌で感じる肉。
それと同じく、『櫻瀧』の男の描写も、肉を感じるのです。
指のふしくれだった感触でさえ淫靡。
逆に女性が描く耽美とは、雰囲気に重心を置いてるような気がするのです。
会話のやりとりの中に含まれる熱、眼と眼が絡み合う瞬間、触れそうで触れない距離感、内に秘めた情念がにじみ出る濃厚な空間。
そういうものに淫靡さが多くある気がする。
男性にしか描けない耽美、女性にしか描けない耽美、ああ、どっちも私の心を揺さぶって仕方ないわ……(笑)

それはそうと、腐女子的にラフな言い方をすれば、主人公(もうどっちが主人公だか分からないが)がヤッちゃってます。
そりゃもう『BOY'S ピアス』並の奔放さで見知らぬ男たちと。
これね、その部分をクローズアップして軽く焼直せばモロ『BOY'S ピアス』に掲載されてても全くおかしくないですよ。
『麗人』でもいいか。その場合は別に焼直す必要がない気がする。
純粋に漫画化すればいい(笑)

当初の目的である『櫻の描写』はどうしたって感じの感想文ですが、櫻の描写よりも主人公の白シャツを羽織った裸ばかりが蘇えるばかりで、私としては主人公自体が櫻なんじゃないかとすら思ったほどです。

最後に、どうしてここまで好きになったかってのが、ラストの展開にあります。
ハッピーエンドです。
え、これがハッピーなわけ?という声もあるかと思いますが、五体満足健康優良児の二人がラブラブハッピーで暮らし続けるということだけがハッピーの領域じゃないわけなのですよ。
堕ちた先の正気とも狂気とも現実とも夢ともつかない中で、傍らに相棒がいるということもひとつの幸せなのだと、私にはこれもハッピーエンドなのだと位置づけました。
現実ではそうもいかないです。
死んでしまったなら、霊能力がない限りは思い出はあるもののそれっきり。
それをそれっきりじゃなく描けてしまうことが、物語の強みだよなあとしみじみと実感してしまいました。
ああ、やばい。赤江瀑に傾倒しそう。



一般小説 ア行  未分類 | 【2007-01-29(Mon) 12:30:58】 | Trackback:(0) | Comments:(0) | [編集]

オアシスの恋人(池袋ウエストゲートパーク) 石田衣良

池袋ウエストゲートパーク 池袋ウエストゲートパーク
石田 衣良 (2001/07)
文芸春秋

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★7/10

千秋とカシーフの話。
ドラマでは千秋を大好きでした。
ドラマではへんてこな言葉にへんてこな行動をする謎のアラブ人だったけど、小説のカシーフはホントにいい人。
イランはペルシャ人の国。イラクは湾岸諸国はアラブ人の国。
カシーフは謎のアラブ人じゃなくて、90%ペルシャ人の国イランで生まれたアラブ人。実はインテリ。
千秋も少しだけ裏をのぞかせる。
みんな少しだけ切なくて、少しだけ強くて、強い。
なんだろうなあ、これといって泣けるわけじゃないんだけど、ジンと胸が痺れる。
砂のようなざらついた手触りと冷たい寒風の中にいる人の体温を感じる。
石田さん、ちょっと好きになりそう。
なにげにマコトがクラシックにはまり文章を書くのにはまり本を読むのにはまっていくさまがおかしいし。

なにより、石田さんの比喩に感服。

青ガラスみたいに硬い池袋の冬の空

金属質の緊張感

氷水みたいな二月の北風

ヤられたー!って感じ。
なに、この洗練された比喩!!シビレルー!!!
ああ、好き。ほんと好き。


そして、書き下ろしの『サンシャイン通り内戦』は読んでません。
ドラマの加奈さんが嫌いすぎて、ちょっと小説でも読めなかった。
いつか、嫌いが薄れる時がきたら、改めて読もうと思います。

続き読も。2巻を読も。



一般小説 ア行  未分類 | 【2006-12-20(Wed) 17:34:46】 | Trackback:(1) | Comments:(2) | [編集]

エキサイタブルボーイ(池袋ウエストゲートパーク) 石田衣良

池袋ウエストゲートパーク 池袋ウエストゲートパーク
石田 衣良 (2001/07)
文芸春秋

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★6/10

なるほどそうか! これは読みすすめれば読みすすめるほど好きになっていくタイプの本なんだな!?

『エイキサイタブルボーイ』は、ちょびっとじんわりきました。
ヤーさんになったサルと引きこもりの和範が出てくる回。
この話がドラマではああ濃い味付けなるのか……。
宮藤官九郎すごいわ、これ、や、ほんと。

ドラマであった話が終わるまでは、ドラマと小説を比べた感想しか書けないんだけど。
ドラマはね、爽快で「アホだな~」と苦笑しながら楽しむって感じだったけど、小説は淡々としていて、軽快というよりも速い感じ。
いうなれば、ドラマは羽の速さ、小説は鉄の速さ。
主人公のマコトがねドラマの長瀬智也のイメージより線が細くて片頬を上げて笑うようなシニカルさがある。

和範の笑顔に、『いい笑顔じゃないか』とマコト。
なんてことない言葉で、なんてことないやりとりで、マコトと和範の近づいていく心理描写が詳しく描いてるわけじゃないのに、どわっと何か込み上げてきた。
約63P.の短い文章の中で、言葉少なにポイントをついてくる感じは、ちょっとすごい。



一般小説 ア行  未分類 | 【2006-12-18(Mon) 11:39:47】 | Trackback:(0) | Comments:(0) | [編集]

池袋ウエストゲートパーク(池袋ウエストゲートパーク) 石田衣良

池袋ウエストゲートパーク 池袋ウエストゲートパーク
石田 衣良 (2001/07)
文芸春秋

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★5/10

一編一編が短いので、とりあえず忘れないうちに読み終わった表題作のみの感想を。

5/10という評価、それはどういった判断でつけたものか。
ドラマにゾッコンのめりこんだ作品だから、登場人物の設定がドラマと若干違ってるのに脳内ではドラマの人物を優先して考えちゃったから、色々と小説の設定を無視してる感じで読んでたせい。
冷静な判断なくしてる。
だから、どっちかっちゅーと、ドラマを見返しているような見返してないような感覚。
終始、比べながら読んでしまったかも。
DVDボックス買っちゃおうかな。

原作の方が温度が低い。ドラマの方が暑苦しい(笑)
どちらが好きとか嫌いじゃなくて、温度が違う。
ブツ切りの文章は小説というよりも歌の歌詞のようで、『マコト』が喋っているような感じ。
それを強く感じたのはP.47の脈絡なく入ってきた『REMEMBER R。』の文字。
何かにてる。このスタイルは何かに似ている。……ああ、歌の歌詞か!

一番好きだったのは最後の部分。
さりげにロシア音楽に詳しくなってるマコトに笑っちゃった。
ひょうひょうとした顔で、自分がロシア音楽に詳しくなってるのに気づかないまま、ある日友達から指摘されて、自分であれ?とか思うんだろうなあと想像してみたり。

ドラマ版では、マコトもタカシも山井もマサもシュンもかっこよくて甲乙つけがたいぜ、なんて思ってたんだけど(笑)
原作では断然山井に煩悩のくすぐられる。
P.69の『山井はヒカルを許して、だまされた振りをしてるのかもしれない』
この文章に山井への愛しさ倍増。
まあ、なんだかんだいってドラマでも山井が何気に一番好きだったんだけど。
ああいうの可愛いと思う(笑)

まあ、なんてゆーか、腐女子的な感想を言うなら、タカシ×山井が好きだな。
タカシと山井の対決で、最後にタカシが「おまえとは二度とやりたくない」で、このカップリングが急騰した。

さて、続きを読むか。


一般小説 ア行  未分類 | 【2006-12-18(Mon) 00:10:00】 | Trackback:(0) | Comments:(0) | [編集]

恋のドレスは開幕のベルを鳴らして ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 2 青木祐子/あき

恋のドレスは開幕のベルを鳴らして


ああ、なんだってこんなにクリスとシャーロックの関係がすすまないの!
とやきもきしつつ、ふとした場面でクリスの心配をするシャーロックにムフフとなってしまうのです。
今回の恋ドレの依頼者は、一年前に人気絶頂で舞台から姿を消した美貌の女優マーガレット様。
恋のお相手は・・・・・・キースかと思ってたじゃん!!
その思い込みのせいで、読む気がなかなかおきずに、ダラダラと読んでしまったですよ。
だってね、このキースがムカつく男なの!
っていうか、カリナもマーガレットもイマイチ好きになれず。
もっと、ロウが魅力的に書かれても良かったのになあって残念。ロウの絵が見たかった!!
そしたら、キース派とロウ派にわかれていい感じだったのに(笑)
っていうか、今回の実の主役はカリナかなあと思いつつ。
唯一、新キャラのリルちゃんの可愛らしさにメロメロなってました。
かわいいでしゅわ~。
最後の挿絵で、シャーロックとクリスが手を繋いでるとこが好きで好きで。
3巻はもっと距離が縮むかなあ。
この二人の恋に決着がつくまで、目が離せません!!そして決着がついても、おっとりなクリスに実は振り回されてるシャーロック様を見ていたいなあ。
アイリスとか、正直どうでもいいんだが(笑)、一応中ボスっぽいもんね。

一般小説 ア行  未分類 | 【2006-09-11(Mon) 22:03:43】 | Trackback:(0) | Comments:(0) | [編集]

恋のドレスとつぼみの淑女 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 1 青木祐子/あき

恋のドレスとつぼみの淑女


みなさん、ヴィクトリアン王朝時代は好きですか?
豪華絢爛の貴族様や、萌の王道にまでのぼりつめたメイド様。
しかし、この小説の主人公は、快活で美しいパメラと共にひっそりと小さな仕立て屋を営む、地味で引っ込み思案な女の子なのです。
彼女、クリスの仕立てるドレスは恋が叶うと評判。けれど、彼女はただお客様の心に寄り添ってそのままの形をドレスで表現してるだけ。
終始、主人公であるはずのクリスは仕立て屋として、ドラマチックな恋の波に溺れる貴族様たちを陰から見つめドレスを作り、時にはひっそりと助言をする、まるで主人公らしくない少女。
公爵の息子シャーロックという、素敵な男性があらわれても、お相手は美人のパメラに任せて自分は仕事部屋にこもっている始末。
当然、シャーロックの心もパメラに傾いていくけれど、クリスはひたすらドレスを作ることに、そしてドレスに袖を通すレディのために心を砕いて、シャーロックに見向きもしない。
やきもきするのは読者ばかり。
シャーロックがクリスの真面目で芯のある心を垣間見たとき、読者はクリスにかわって少しだけ嬉しくなる。
クリスに感情移入して、地味で目立たない私だけど、そんな私の良さに気づいてくれる人が現れないかしら、と思うもよし。
パメラに感情移入して、クリスの不器用さに癒されながら、シャーロックとのかたつむりのような心の通わせあいを応援しつつ眺めるもよし。
ちなみに、1巻である今作では、くっついてません。だって、クリスは自分のことよりお客様の恋にばかり目がいってるのだから。
でも、一人のレディの恋を通して、クリスとシャーロックは何かが少し通じ合ったようです。
クリスのドレスを1枚1枚仕立てるごとに、シャーロックとの恋が芽生えるように、通じ合うように、と祈りつつ、次巻を読み始めたいと思います。



一般小説 ア行  未分類 | 【2006-09-02(Sat) 22:01:13】 | Trackback:(0) | Comments:(0) | [編集]

首飾り 雨森零

首飾り


淡々かつ深く情熱的な文章には惹かれずにいられませんでした。
主人公のれいと秋とななの息づかいが近くで感じられるような錯覚におちいってしまいました。
が、これだから純文学って奴は~(涙)
切ない展開に余韻を残すラスト。
れいと一緒に記憶の海へと旅立ち、3人で過ごしたかけがえのない瞬間を感じ、それを想い、そして心にぽっかりと穴があく。
いやがおうにもれいの気持ちと同調させられる作品。
う~ん、センシティブ。
感じすぎて心がヒリヒリするのが純文学ですな(笑)

好きな文章を一部紹介

なにも変わってほしくない、僕はそう願っていた(中略)一番変わったのはこの僕なのだ。
僕はそういう人間なのだ、気分しだいで人を死ぬほど憎んだり愛したりする、そういう卑しい汚らしい恥ずかしい人間なのだ。


れいと秋の関係に萌えようと思って読んだ本。
萌えられたとはいえ、切なすぎる展開に「やっぱりな」という思いと同時に落ち込みました(笑)
秋との関係が離れていく様子がリアルです。
劇的な何かがあるわけじゃなく(離れる理由はあるのだけど)ケンカをしたりひどい裏切りがあったりするわけじゃなく、3人の関係が変化したことにたいして対処できずにただ傍観するように壊れていく感じ。
いや、壊れていくというのは正しくないか。
絆が薄くなっていくのね、徐々に徐々に薄くなってある日気付いたときにフツと切れていたことに気付くような切なさ。

もう読めない。切なすぎて読めない。
でも、切ない展開以外は私好みの文章と描写力だったので、多分この人の本は読みたくなると思います。
彼の他の本も読んでみようと思います。

もうひとつビビビときた部分を引用

僕は悔しかった。
(中略)僕が好きなのは秋なのだ。その他の何ものでもない。
(中略)僕は踏み越えてはならない線を越えてしまったのだろうか。
(中略)でも僕には線など見えなかったし、鳥のように自由だったのだ。
(中略)僕はなぜ秋を好きになってはいけないのだろう?
・・・それはいったい誰が決めたのだろう?
・・・どうして駄目なのだろう?
僕のこの気持ちは誰のどんな気持ちよりも澄んでるっていうのに。


この部分がすごいです。
れいの激しい慟哭を聞いたような気がします。
それまで内なる情熱をかくし、客観的に客観的にと書いていた文章が、抑えきれずに内側の赤い部分が爆発したような部分。
もし私が国語の先生なら、「えー、赤でアンダーラインと引くように」と言ったであろう部分(笑)

それにしてもじいちゃんが死んだときの描写はすごかった。
気持ち悪すぎ。
映画を見ているようにまざまざと想像しちゃったよ。

一般小説 ア行  未分類 | 【2006-02-08(Wed) 21:36:22】 | Trackback:(0) | Comments:(0) | [編集]

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