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森絵都 架空の球を追う



とても短い11話の短編集。

銀座か、あるいは新宿か
ハチの巣退治
パパイヤと五家宝
夏の森
ドバイ@建設中
二人姉妹
太陽のうた

が好き。
『二人姉妹』と『太陽のうた』は、じりっと胸が焼けた。
特に『二人姉妹』は橋場さんに苛立ちを、真紀に嫉妬を感じた。。
どちらもリアルに心当たりと覚えのあって、だから嫌なんだよ、と誰ともなしに吐き捨てたくなった。
『太陽のうた』は、そういった痛みはなかったが、漠然とした無力感を感じてしばらく途方にくれた。

『ドバイ@建設中』はうまいこと納まっていて、いかにもなショートストーリー。
”私”と御曹司が騙し合ってたのではなく、お互い”本当の自分”に気づいてほしがってたように感じた。
いいな、と思った。

『夏の森』は甘酸っぱい。
甘酸っぱいけど痛みも切なさもない爽やかなストーリー。

『パパイヤと五家宝』『銀座か、あるいは新宿か』は共感しました。
あるある、と呟きながらクスクスムフフと笑っちゃう。
特に『パパイヤ~』は他人事とは思えません。

『ハチの巣退治』は、素直に笑わせてもらいました。
手紙のくだりは笑いがとまらなかった。
ブリジッド・ジョーンズの日記をふと思い出しました。
森絵都さん、こういう小説書いてくれないかなあ。
こういうユーモアのきいたノリ、大好きです。


それぞれ短かったけど、どれも印象的なストーリーでした。






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一般小説 マ行  森絵都 | 【2012-07-19(Thu) 17:38:02】 | Trackback(-) | Comments:(1) | [編集]

森絵都の本

別冊宝島「森 絵都の本」 別冊宝島「森 絵都の本」
(2004/09/15)
宝島社

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★8/10

あさのあつこさんと森絵都さんの対談は非常に面白いです。
このお二方、題材は同じものを選ぶとしても、互いに思いもしない視点からそれぞれしか書けない小説をお書きになるんだろうなあ、と妙に納得してしまいました。
当たり前なんだけど、森絵都さんが「バッテリー」を書いたら、あさのさんとは180度違うストーリーになるだろうし、あさのあつこさんが「DIVE」を書いても180度違うんだろうなあと。
当たり前なんだけどね!
ただふと、あさのあつこのDIVEが読みたい。森絵都のバッテリーが読みたいと思っちゃいました。
そんな小説があったら面白くないですか?
登場人物や設定は全て同じで、ストーリー展開は自由。
そんな制約の中で、色々な作家さんの小説を集めた本とかあったら、すっごく面白いと思う。
作家さんたちにしたら、地獄かもしれないですが(笑)
それは置いといて。
この本は、森絵都さんのことというよりも、周囲の人が森絵都小説を薦めているって感じのインタビューが多かったです。
個人的に、周囲の人が森絵都さん(作品)をどう思っているかには興味がなくて、森絵都さんが作品に対してどう思っているかとか森絵都さんがなにが好きかとかが知りたかったので、そこらへんがあまりかかれてなくて残念でした。
でも、森絵都さんが選ぶベストブックはとても参考になります。


一般小説 マ行  森絵都 | 【2007-05-07(Mon) 00:46:01】 | Trackback:(0) | Comments:(0) | [編集]

DIVE!! 1 森絵都

Dive!!(1)


いつも寝る前にベッドの中で本を読む。
本の世界にひたりつつ、夢の中へ夢の中へ……
今回はセレクトを間違えました。

この本を読んだら最後、ぬくぬくと眠ってなんかいられやしない。
今すぐにベッドを飛び出て身体を酷使しなければ!!
といった衝動にかられ、目がランラン、体がビチビチしてくる始末。

頑張ろうと思えるような健全な匂いのする本はあまり選ばないんだけど、前向きな本は本当にエネルギーを与えてくれるんだなあ、と実感。
ま、このDIVE!が健全かどうかと言ったら、選んだ動機が不純(少年盛り沢山)なだけに私の口からは健全だとは言えませんが。

もっと早く出会いたかった本です。心から。
今、中学生、高校生で、好きな何かを頑張りたい子は今すぐ読んで!!さあ、本屋に行け!今すぐ行け!こんなブログを読む暇があるなら、角川文庫から出たDIVE!!の上下巻を持ってレジへ行け!!さあ、さあ、さあ!
とっくに学生時代を卒業した人も、今何かを頑張り中の人も、パソコンの電源を消して本屋へ走れ。

本に関連する100の質問などで、子供に読ませたい小説は何かと聞かれ、首をかしげていた私も、今日からは声を大にして胸を張って森絵都のDIVE!!を読ませるといいます。

「友達だから先こされるとくやしいし、うらめしいし、嫉妬もするんだよ。赤の他人ならどうってこともないさ」

「いつかどでかい会場で十万の観衆をわかせたいと思うなら、そばにいるひとりやふたりのことは忘れろ。いちいち身近な人間に気を配ってたら、十万の観衆をわかせるエネルギーなんか残らないぞ」

「勝っても負けてもどうでもいいって顔してる。そんなやつにだけはおれ、負けたくねえんだよな」

「死ぬほど練習して死ぬほど失敗して、もうダメだってあきらめかけたときにひょっこりできるもんなんだ」

「でももう決めた。選ばなかったもののことはあきらめる。いや、あきらめるんじゃなくて、超越する。超越する、超越する……」


あああー!!!(頭を抱えて叫ぶ)って感じです。


そして、心がスッキリしたセリフがこれ。

「失ってみて初めて大切なものがわかった。あなたが言ってるのってそういうこと?」
「そう……だと思う」
「嘘よ。失ったとたん、なんとなく大切だったような気がしただけよ。本当に大切だったら最初から大切にしてるわ、失わないように」


そう。そうなのよ。
「失ってから気づく」という、慣用句にすらなりそうな使い古したセリフにいつも違和感を覚えていた錆びた鍵穴のようにしっくりおさまらない気持ちがようやくスッキリしました。
誰かに強くこう言ってほしかったのね。

そして、泣けた部分。

「要一くんなんて小学生のころ、熱があるのに試合に出場して、生まれて初めて負けて、怒って泣いて海パン脱いでダイビングプールに投げ捨てて帰ったんだぜ。何に当たればいいのかわかんなくって、ついに海パン脱いじゃったんだろうな」

久しぶりに、こんな激しい気持ちを思い出させられました。
子供時代は本当に負けん気が強くて我が強くて自己主張の激しい子供だったけど、いつしか悔しい思いをするのや嫉妬するのが苦しくて、許すという名の下に全ての戦線を離脱をしたんだっけなあと、自分の情けなさをしみじみと回想。
でも、真剣にやってるからこそ、悔しくて嫉妬して苦しくてみっともなくて涙が出てしょうがないのよね。
当時の私がいたら「バカだなあ」と言って教えてあげたいなあ。

まあ、気づくのが遅かったけど、これからガンガン嫉妬して悔しい思いをして苦しむ大人の青春をおくろうと思います。
なるべく周りの人に迷惑をかけないように(笑)

「甘いな、おまえも――おまえはただ勝っただけだ。(略)スポーツにはいつだってそうした勝ち負けがついてまわる。誰だってそんなの承知でやってんのに、おまえは勝つたびにそうして落ち込む気か?」

そして、この言葉も昔の私へささげたい。そして今の私にも。
目から鱗が落ちました。
私が恐れていたのは、友達や好きな人に勝ってしまうこと。
上がいなくなる恐怖なのか、相手より優位になってしまう恐怖なのか、それもとバカキャラから脱出させられる恐怖なのか。
好きな相手より勝ちそうを思うと、つい手を抜いてしまう失礼な癖。悪い癖。
でも、それは思いやりとかじゃなくて、ただ甘いだけなのよね。
そう、要一くん、私が甘かったんだ。そして、勘違いの自己過信してたんだ。
たとえ、身近な人に勝ったとしても、本当のトップじゃない。
狭い狭い世界でのほんの少しの大将でしかない。それを勝ったと思うことじたい、間違ってるんだよなあ。

こういうね、痛い部分を真っ直ぐに突き刺してくるから、いっそ爽快感がある。
でも、大人になってしまった私だから、痛いと感じるのであって、きっと中高生が読んだら、全ての言葉が何かを努力する原動力になるはず。
だから、今すぐ読んでほしい。1日でも1分でも早く読んでほしい。

本は生ものです。
共通した賞味期限はないけれど、読む時期によってたしかに本から得るものの量や質が違うと思うのです。

早く出会えていたら、と後悔はしません。
今出会ったんだから、今のファイトを出し切るだけです。
それこそ、あきらめたものを、うしなったものを超越する、超越する、超越する……と心に強く念じて。

ちなみにまだ1巻しか読んでないのに、この熱さ。どうだ!まいったか!!














上の語りを台無しにしそうなので、少しスペースをあけてみました。
萌えもあります(コッソリ)
もちろん、登場人物にそれぞれカップリングをして萌えるのもアリなんですが、それ以上に萌えたのが、未羽のたわいない会話の内容。

『それでB組の斉藤くんがね、美術の深見先生に放課後、美術室に来いって呼び出されて、なんだろうと思って小田ちゃんとか陣くんとかと一緒に行ったら、おれがモデルしたいのは斉藤だけだ!って深見先生、真っ赤になって怒鳴ったらしくてね……』

普通にスルーされてる会話の内容ですが、私の心の中は読んだ瞬間ストームが吹き荒れました。
何、これ?何なの、このただならぬ雰囲気。深見先生と斉藤君のその後はいったいどうなったの!!?ねえ、教えて。ねえねえねえ、未羽ちゃん!!
ヤバイ、想像だけで鼻血出るから(笑)


一般小説 マ行  森絵都 | 【2006-08-07(Mon) 21:53:52】 | Trackback:(0) | Comments:(0) | [編集]

彼女のアリア(アーモンド入りチョコレートのワルツ) 森絵都

アーモンド入りチョコレートのワルツ


ワルツをテーマに短編3本からなる本、最後まで読みました。
読む順番がバラバラなのは、気になる順から読んだため。
つまり、この『彼女のアリア』は、あまり期待してませんでした。

彼女のアリアは、突飛な人が出てくるわけではなくて、不眠症とか虚言癖とかいう材料はあるけど、それに重点を置くのじゃなくて、旧校舎の音楽室の情景と秘密を共有するドキドキ感を味わう小説かな、と思いました。

そして、この作品を読んで、「アーモンド入りチョコレートのワルツ」に収録される3作品の共通点を見つけました。
ひとつは、やっぱり壊れてゆく、崩れてゆく、変化してゆく瞬間を描いてるんだろうということ。
立ち止まることのできない時間に押しだされる若者の瞬間。
そして、ふたつめに、軽やかな音楽。
実際、ここに出てくる『子供の情景』『ゴルドベルグ変奏曲』『童話音楽の献立表』などといった音楽を通しで聴いたことはないけど、どの曲もそれぞれ力の抜けた心地よいリズムを感じられました。
この1冊の本のイメージカラーをつけるならば、透き通ったの青と緑。
硬質でも柔和でもなく。


一般小説 マ行  森絵都 | 【2006-07-13(Thu) 21:52:42】 | Trackback:(0) | Comments:(0) | [編集]

アーモンド入りチョコレートのワルツ(アーモンド入りチョコレートのワルツ) 森絵都

アーモンド入りチョコレートのワルツ


クラシックをテーマに、中学生を主人公にした短編3作が収録されている小説の表題作『アーモンド入りチョコレートのワルツ』を読みました。

読み終わったあと、「ああ、これだ」と思いました。
なにが『これ』なのかはさっぱりわからないけど、ただ「これだな」と。
胸をすくっていうのかな。
何かを解決した爽快感があるわけでも、何かを乗り越えた達成感があるわけでもないのに、ただ、涼やかな風のように、それこそワルツの音楽に乗って心をサラサラと流れてきました。
「わたし」のワルツのように、とても自然でのびやかな話。
子供は眠るの感想でも書いたように、何かが崩れる瞬間が描かれているんだと思います。
崩れるとは違うかな。変えることのできない事実を受けいれる瞬間とでもいうのか。

大人はいつだってそうなんだ。なんでも好きなように作って、好きなように終わらせるんだ。

ああ、そうだったな、と。
子供のころに説明できなかった気持ちが、ここにあるような気がしました。
でも、それが切ないとか郷愁とか童心に戻るとかいう話ではなくて、ただ「ある」んですよね。
それは、君絵がそのあとにいってる言葉でも感じます。

あたしたちが大人になったらさ、好きなもんを好きなように好きなだけ作って、そんで毎日を木曜日みたいに、きらきらさせてやろうな。そんで、そんで……そんで絶対に、終わらせないんだ

変えられると思っていたものが変えられないと気づいたり、君絵が負けるもんかと力強く歌っていたり、ワルツが生まれてワルツが消えるまでの時間。

ワルツは感情をこめすぎちゃいけない。顔をしかめたり首を激しく揺すったり、そんなヤボな真似はワルツには似合わない。ただ十本の指を気ままに踊らせてあげる。それだけでいい。

強くもなく弱くもなく、ただそのままに力の抜けたワルツのような小説でした。
好きです。



一般小説 マ行  森絵都 | 【2006-07-10(Mon) 21:52:01】 | Trackback:(1) | Comments:(2) | [編集]

子供は眠る(アーモンド入りチョコレートのワルツ) 森絵都

アーモンド入りチョコレートのワルツ


ふと、やさしくて女性的な文章が読みたくなって、本棚から未読だった森絵都さんの小説をひっぱりだして読みはじめました。
三編からなってます。
冒頭の『子供は眠る』を読みおわりました。

この物語の季節が夏なので、今の時期に読んでよかった(笑)
章くんがひたすらかっこよくて、かっこよくて。
そして、人を嫌いになるというか、自己が出てくるというか、嫌悪するというか、何かよくない方向のものが芽生える瞬間っていうか、何かが崩れる瞬間が、じんわりと克明に描かれているなあと思いました。
そして、後悔する気持ち。知らなかった優しさを知った時の胸の痛み。
それぞれ、小さな罪を背負った子供たちの話でした。
それなのに、不思議と爽やか。
それは季節は夏のせいなのか。
それとも、最後のぼくと章の会話のせいなのか。

「今年のぼくは、卑怯だったよ」
 章くんは一瞬きょとんとして、それからふふんと鼻で笑った。
「おれなんか、昔から卑怯だよ」

この場面が好きです。かっこいい。

ヨコシマな目で見るならば、智明×ぼく。章くん×じゃがまる。
それぞれが、キャラがたってるので、面白いです。
どんなときでも、ヨコシマ魂は忘れません、ええ!


実は、この本を買ってすぐに軽く読んだときは、あまり好きではなかったのよね。
こういう懐かしさと切なさが同居して爽やかな小説というのは、好きだけどチョット苦手。
でも、少し時間を置いて、再びじっくりと読むと、本当は優しいストーリーなんだなと気づきました。
売らなくてよかった。
こういうことがあるから、うかつに売ることができないのよねえ。
そうして、本が増えてゆく~。

一般小説 マ行  森絵都 | 【2006-07-08(Sat) 21:50:54】 | Trackback:(0) | Comments:(25) | [編集]

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