手毬唄が聞こえる(鏡花あやかし秘帖) 嶋田純子/今市子 

手毬唄が聞こえる―鏡花あやかし秘帖 手毬唄が聞こえる―鏡花あやかし秘帖
嶋田 純子 (1999/07)
まんだらけ出版部

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★10/10 お薦め!

NOT BLです。萌え萌えですが。
むしろ、作者が作者だからそれが正しい読み方なのか(笑)
うひゃー、すっごい好みだった!
明治時代、帝都東京、編集者と作家、謎、煙管、童歌、オカルト……。
ロマンです。否、浪漫なのです。
シリーズ物らしく、前作は読んでないのですが全く問題ありませんでした。
主人公は新人編集者の香月くん。
可愛らしいお顔で童顔、一高の寮生時代は”お嬢さん”と言われたり迫られたりするような、BL好きには垂涎物の設定。
一緒に謎解きをしてくれるのが、かの有名な泉鏡花先生。
色白で線が細く病弱な少年めいて見えるが、眼鏡の奥に光る瞳は、強靭な知性を帯びた鋭さがある。
私は鏡花×香月に一票。
六車×香月もいいし、松川×香月もねらい目だけども、やっぱり王道で。
なんたって、鏡花先生に「可愛い」といわれて顔を赤らめる香月くんがたまらない。

香月くんは亡霊の存在に脅えて、鏡花先生にいうのです。
「つぎは―僕かもしれない」
「ずるいですね―香月さん」
鏡花は意味ありげな微笑を浮かべる。
「え……」
「あなたは、どう言えば私が動くか、よくご存知だ」
「……えっと」
「私はあなたが考えているほど優しい人間じゃないかもしれませんよ―香月さん。あなたがどうなろうと私の知ったことじゃない。そんな一言であなたを切ることだってできるんです。―でも、私がそうしないことを、あなたは知ってるんですよね?」
「深く考えたコトはありませんが……そうかもしれません」
香月は小さくなって、頬を赤らめる。
「そういう素直なところ、好きです」
と、鏡花は笑った。

ちょっと引用な長すぎましたが、ここはハズせない部分ですよ!

同時収録短編の『青の貴婦人』では、恋人のできた香月くんにヤキモチを焼く先生が素敵。

貴婦人にはとある理由があって、それを知っている先生は香月くんが傷つくから付き合うのを止めなさいという場面。強情な香月くんは

「傷つくことを恐れていては、なにもできませんよ」
それを聞いた鏡花は、冷たい、どこか嗜虐的でさえある微笑を浮かべた。
「私は―傷ついて血を流すあなたを、見降ろして笑うでしょう」
「……ッ!」


ここ、けっこう好きな部分です。
可愛さあまって憎さ百倍、まさしくそれだ!
でも先生はとっても香月くんに対して愛情が深いのです。最後は

「(香月くんの)悪い夢なら私が殺す。美しい夢なら、最後まで見るのもいいかもしれない。たとえ傷つくことになってもね」
(中略)
「これからうちに来ますか?ちょうど、いい酒があるんです」
「―つぶれるまで飲んでしまいそうです」
「朝までつきあいましょう」
「先生……」


もっともっと萌える部分盛りだくさん。
出版元がまんだらけなんですよね。
すごいや、まんだらけ。こんな本まで出してたんだ。
ぜひ文庫化をお願いしたいものです。シリーズまとめて。
挿絵は今市子さんですが、BLと思ってよんじゃあいけません。
普通の小説に萌えを見つけるくらいの心持ちで読みましょう(笑)
やっぱ、嶋田純子作品は面白いわ。

そうそう、これをきっかけに泉鏡花に興味を持っちゃいました。
泉鏡花作品も読んでみよっと。
けっこうファンが多いみたいですね。
容姿も大変よろしかったようで、「勝気な美人が男装をした」ようなお人だったようです。

も、も、本当に好み。

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